Philosophy

「BizOps」という言葉が、日本で少しずつ聞かれるようになったのは、2020年ごろ。

変化する働き方。進まないDX。動かない戦略と、方針なく奔走する現場。
誰も拾い上げない課題を拾い上げ、組織間の溝を埋めてきた存在――それが、BizOpsです。

経営と現場。戦略と実行。データと意思決定。
それらをつなぎ、変化を内側から支える「推進力」。

本来、経営の現場に不可欠な役割でありながら、
多くの企業では「なんでもやってくれる便利な人」として埋もれたまま、
役職でもなく、部署でもなく、名前のない存在として扱われてきました。

成果を見せにくく、評価につながりにくい実践の積み重ね。
価値のあるはずの仕事。言語化されない貢献。
BizOpsという概念そのものもまた、多くの企業で、制度にも言葉にもならず、現場に埋もれ続けています。

戦略と実行がかみ合わない。
データはあっても、意思決定が進まない。
全社で動くはずのプロジェクトが立ち消える。

そんな“変われない企業”の裏には、
「つなぐ力」や「整える知」の不在があります。

BizOpsとは、こうした構造的な課題に対し、断絶を越えて変化を成立させる“実行力”です。
それは個人のスキルにとどまらず、企業の中に埋め込まれるべき変革の仕組みであり、
組織を越えて社会に伝播していくべき共有知でもあります。

BizOps協会は、この概念を、「企業と個人の両方に機能する変革の土台」として社会にひらいていきます。
名前のなかった役割に、言葉と仕組みを与えること。
埋もれてきた実践に、意味を与え、実践してきた人に次の選択肢をひらくこと。

そして、組織や業界を越えて共有できる概念へと育てていくこと。

それが、私たちが信じる「BizOpsの社会化」への第一歩です。